今日から使える!製図の基本ルール・記号・図面の見方を初心者にも簡単解説

コラム

製図とは?図面が果たす役割

製図は「製品の仕様を形状・寸法・精度・材料等を正確に伝えるための言語」です。
伝える相手は設計者だけではなく…

関係者図面から得たい情報
加工担当者どう加工するか・精度は?
検査担当者どこをどれだけ測るか
品質保証要求性能を満たしているか
顧客設計意図が実現されているか

➡「読み手が迷わない図面」が高品質・低コストを実現します。

製図の基本ルール(詳細版)

線の種類と優先順位

線には優先順位があります。重なったときどちらを見せるかが決まっています。

優先順位線種
1可視稜線(実線 太)形として見える境界
2隠れ線(破線)内部形状
3中心線(一点鎖線)円や穴の中心
4寸法線/補助線(細実線)情報表示

例えば、穴が奥にある場合は破線で表現。
→ 線のルールが分かると、頭の中で立体が組み上がります。

製図の線の種類一覧(JIS 準拠)

線の種類太さ主な用途・意味表示例(イメージ)
太い実線(外形線)物体の見える外形・輪郭を表す━━
細い実線寸法補助線、寸法線、ハッチング、断面線など──
破線(隠れ線)隠れて見えない形状を示す– – –
一点鎖線(中心線)円や対称形の中心を示す─ ・ ─ ・ ─
二点鎖線(特別な形状)将来加工される部分、特別な要素を示す─ .. ─ .. ─
太い一点鎖線切断線、重要な中心線を強調━ ・ ━ ・
連続細波線破断位置、図の省略区間~~~~
細い実線(指示線)注記・指示を行うリーダ線に使用→(線部分)

第三角法は、物体を手前の面に投影して貼り付ける感覚。
最低でも以下3つで形を伝えます。

 ┌──────────┐
 │  上面図   │  ← 上から見た図
 └──────────┘

┌──────────┐┌──────────┐
│ 正面図 │       │右側面図 │
└──────────┘└──────────┘

✅ 正面図(基準)
✅ 平面図(上から)
✅ 右側面図(横から)

🔎 ポイント

  • 一番重要な形状が分かる方向を正面
  • 必要に応じて左側面図・断面図を追加

断面図は「内部を可視化する」便利機能

隠れ線が多いと読みづらいため、断面図で解決!

✅ ハッチングで材料部分を表現
✅ 中心線より外を切るのはNG
✅ 実際に切れないもの(ボルト等)は省略

→ 内部形状が一目で理解でき、施工ミスが激減します。

寸法記入の深掘り

ルール理由
重複寸法を書くな検査時に基準が曖昧に
読みやすい向き(横書き)で統一誤読防止
加工基準面から寸法を出す実加工と一致
仕上げと荒加工を区別手戻り防止

💡 要加工部分には寸法を描く、鋳造のままなら寸法不要
→ 加工工程まで伝わる図面になる!

図面で使う主な記号(実務対応)

表面粗さ記号:加工方法のヒントにもなる

記号表示例Ra[μm]仕上げタイプ使用例
▽12.512.5粗い切削、構造材フレーム、溶接補修部
▽6.36.3普通切削鋳物加工部
▽3.23.2一般切削金属加工全般
▽1.61.6仕上切削金型部品、精密部品
▽0.80.8精密仕上げ軸受、摺動面
▽0.40.4研削仕上げ金型キャビティ
▽0.2以下超精密ラップ加工、鏡面密封面、光学部品

例:

  • Ra 12.5…旋削レベル
  • Ra 3.2…フライス・研削
  • Ra 0.8…精密研削・ラップ

➡ 要求が高すぎるとコスト爆増

幾何公差記号:機能上重要な面にだけ!

記号意味よく使う箇所
Ⓣ(位置度)穴位置のばらつきボルト穴
Ⓟ(平面度)平らさ取付面
Ⓗ(直角度)垂直関係基準面との関係

➡ 必要最小限に「ここだけはズレるな」という箇所に。

一般公差=無記入部の許容範囲

図面右下などに表記(例:±0.2)
→ 全部高精度にしてしまうと加工費が跳ね上がります。

図面の見方:現場で役立つ優先順位

1️⃣ 特記事項(熱処理・めっき・溶接など)
2️⃣ 基準面はどこか
3️⃣ 重要寸法と公差
4️⃣ 加工順が想定できるか
5️⃣ 検査測定が可能か

💡検査部門視点を持つと図面の質が劇的に上がる!

CADでの製図ミスあるある ✅

NG例よくある原因解決策
線種が全部同じCAD設定が未管理テンプレート活用
モデルと図面寸法が不一致2Dを手修正3D→図面の一方向運用
公差選択が適当精度設計の理解不足機能要求とコストをセットで考える

製造現場が喜ぶ図面の書き方(深堀り)

✅ 加工基準面(DATUM)を明確に
✅ 最短工程で作れるように寸法を配置
✅ 検査しやすい位置で寸法化
✅ 加工法が分かる補足を入れる(例:C0.5面取り)

📌 「加工できる図面」=良い図面
(↑ 設計者は忘れがち。でも最重要要素)

まとめ:今日から実践できる製図の3原則

原則内容
見やすく!過不足ない寸法/必要な視図だけ
伝わるように!線種・記号・公差の意図を正しく
加工しやすく!現場が迷わない基準設定

➡ 図面は設計と製造をつなぐ橋
この橋を強固にできれば、生産性が一気に上がります!

実践Q&A+具体例

Q. 部品の向きはどう示す?
→ 基準記号 A/B/C を使い、向きが変わらないよう指示

Q. タップ穴はどう記入?
→ M8×1.25 深さ×○○
(※貫通なら「貫通」明記)

Q. 面取りはどこまで書く?
→ C面は全周が原則。局所的なら指示位置を明確に。

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