PR

機械加工における図面記号一覧

機械加工

機械加工における図面記号には、JIS(日本工業規格)やISO(国際標準化機構)で定められたさまざまな種類があります。以下、代表的な記号を一覧で紹介します。

1. 寸法・公差関連の記号

記号意味
Ø(直径)円や円筒の直径
R(半径)円弧の半径
SR(球半径)球面の半径
SØ(球直径)球の直径
□(四角)正方形の一辺の長さ
±(プラスマイナス)許容差(例:50 ±0.1)
H7, g6 などはめあい公差(JIS B 0401)
⌀(公差域記号)直径方向の公差範囲を示す

2. 幾何公差(GD&T)

JIS B 0021やISO 1101に基づく幾何公差の記号を以下に示します。

記号公差の種類説明
真円度円が完全な真円に近いことを保証
円筒度円筒が完全な円柱に近いことを保証
||平面度平面が完全な平面に近いことを保証
直角度指定された面や軸が直角であることを保証
平行度指定された面や軸が平行であることを保証
傾斜度ある基準に対する角度誤差の制限
垂直度90度の関係があることを保証
同心度軸や円が同じ中心を持つことを保証
位置度指定された公差内での正確な位置を保証

3. 表面粗さ記号

JIS B 0601やISO 1302に基づく表面粗さ記号を示します。

記号意味
Ra平均粗さ(μm)
Rz最大高さ粗さ(μm)
Ry最大粗さ(μm)
〜(波線)特定の加工方法なし
〜〜(波線二重)特定の加工方法あり
─(水平線)研削加工などの仕上げ面

4. 溶接記号

JIS Z 3021に基づく主な溶接記号を示します。

記号意味
V形開先
U形開先
I形開先
J形開先
フィレット溶接

5. ねじ関連の記号 (JIS B 0205, ISO 68-1)

記号意味
M(メートルねじ)メートル並目ねじ(例:M10×1.5)
UNCユニファイ並目ねじ
UNFユニファイ細目ねじ
Rc(管用テーパねじ)内ねじ(PTねじと同じ)
R(管用テーパねじ)外ねじ
G(管用平行ねじ)平行ねじ
Tr(台形ねじ)送りねじなどに使用
Sq(正方ねじ)高負荷用の送りねじ

6. 材料記号 (JIS G 3131, JIS G 3101 など)

記号意味
SS一般構造用鋼(SS400 など)
S45C炭素鋼(機械構造用)
SCMクロムモリブデン鋼
SUSステンレス鋼
ALアルミニウム
FCねずみ鋳鉄(FC200 など)
FCD球状黒鉛鋳鉄

7. 熱処理記号 (JIS G 0561 など)

記号意味
QT焼入れ+焼戻し(調質)
H焼入れ
N焼ならし
A低温焼なまし
O完全焼なまし
T6アルミニウム合金の析出硬化処理

8. 機械加工方法の指示記号 (JIS B 0031 など)

記号意味
〜(波線)仕上げ方法指定なし
〜〜(波線二重)特定の加工方法あり
重要な基準面
軸心を示す
面取り(C0.5 など)
∅/Rボールエンドミル加工

9. 記号の補助表記

記号意味
φ直径(例:φ20)
長さ(エル)
°角度(例:45°)
変位・差(例:⊿H)
垂直方向の寸法
水平方向の寸法

これらの記号は、機械図面の理解と製造現場での指示に不可欠です。業種や企業によって細かなルールがある場合もあるので、JIS規格や社内規格も併せて確認すると良いでしょう!

タイトルとURLをコピーしました