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これだけは知っておきたい!マシニング加工の基本用語と流れ【初心者からプロまで対応】

マシニングセンタ

マシニング加工は、精密な部品加工に欠かせない先進的な技術です。製造業の中でも特に重要な役割を担っており、金属部品や樹脂製品など、さまざまな製品の加工に使用されています。

今日は、マシニング加工の基本用語や工程の流れを初心者にも分かりやすく解説します。さらに、現場で使われる用語の意味や、実際の加工工程でどのように使われているのかについても掘り下げて解説します。

マシニング加工とは何か?

マシニング加工(Machining)は、NC(数値制御)による自動化された切削加工の総称です。中でも「マシニングセンタ」という多機能な工作機械を使った加工のことを特に「マシニング加工」と呼びます。

■ マシニング加工の特徴

  • 高精度・高再現性:同じ加工を何回繰り返しても誤差が少ない
  • 多機能:穴あけ、フライス、ネジ切り、溝加工などを1台で対応
  • 自動運転:長時間の無人運転が可能で、省人化にもつながる
  • 複雑形状への対応:5軸マシニングなどでは曲面加工も可能

マシニング加工でよく使われる専門用語【初心者向け辞典】

◉ マシニングセンタ(Machining Center)

切削加工を自動で行う工作機械。自動工具交換(ATC)機能や高精度な位置決め機能を備えており、複雑な加工も一度の段取りで対応できます。

◉ NC・CNC

NCとは数値制御の略で、加工プログラムによって刃物の動きを制御する仕組み。CNCはその発展形で、コンピュータ制御に対応したNCのことです。

◉ エンドミル(End Mill)

代表的な切削工具。先端と側面に刃があり、側面加工や溝加工に使われます。材質や形状に応じて、超硬エンドミル、ハイス鋼などが選ばれます。

◉ Gコード・Mコード

NCプログラムに使用される命令。

  • Gコード:移動や切削の動きを指示(例:G01=直線移動)
  • Mコード:機械の補助動作を指示(例:M03=主軸正回転)

◉ クランプ・バイス(Clamp / Vice)

ワークを固定するための治具。加工中の振動やズレを防ぎ、加工精度を確保する重要な工程です。

◉ ツールパス(Tool Path)

切削工具がどの経路で素材を削るかを示す設計情報。CAMソフトで生成され、NCプログラムに変換されます。

マシニング加工の流れを徹底解説

マシニング加工の工程は、大きく6つのステップに分かれます。それぞれのステップで注意すべきポイントを押さえることで、加工品質の向上とトラブルの防止につながります。

① 図面設計(CAD設計)

加工する部品の2D図面や3DモデルをCADソフトで作成します。
この段階では、加工性・コスト・機能性を考慮した設計が求められます。

  • 使用ソフト例:AutoCAD、SolidWorks、Fusion 360
  • 注意点:加工できない形状(アンダーカットなど)や工具が届かない部分を避ける

② CAMによる加工プログラムの作成

CADデータをもとに、どの工具でどのように削るかをCAMソフトで設計します。生成されたツールパスは、GコードなどのNCプログラムに変換されます。

  • 工具選定:加工内容に応じて工具を使い分け(ドリル、エンドミル、面取りカッターなど)
  • 切削条件:切削速度、送り速度、回転数を素材と工具に合わせて設定
  • 干渉チェック:ツールとワーク、固定具の接触がないかシミュレーション

③ NCプログラムの転送と設定

作成したNCプログラムを、マシニングセンタの制御装置に転送します。

  • 方式:USBメモリやネットワーク接続で送信
  • 加工条件の確認:各ツールのZオフセット(長さ)や工具番号を正確に設定

④ セットアップ(ワーク固定と原点合わせ)

加工素材(ワーク)を機械に固定し、加工座標の基準となる「原点」を測定します。

  • 原点合わせには、タッチセンサーやブロックゲージを使用
  • わずかなズレでも大きな加工誤差となるため、0.01mm単位の精度が求められる

⑤ 加工の実行

NCプログラムに基づいて、マシニングセンタが自動で加工を開始します。

  • クーラント(冷却液)によって熱膨張を抑制
  • 長時間加工や連続加工では、工具の摩耗や破損にも注意
  • 加工中の機械の動き・音・仕上がりを確認し、異常があれば緊急停止

⑥ 検査・測定・仕上げ処理

加工後は、製品の寸法精度や表面の仕上がりを検査します。

  • 測定機器:ノギス、マイクロメーター、三次元測定機、粗さ計など
  • 表面処理:バリ取り、バフ研磨、アルマイト処理など、用途に応じて追加処理を行う

よくある質問(FAQ)

Q1. マシニング加工で対応できる素材は?

アルミ、ステンレス、鉄、銅、真鍮、チタン、樹脂(POM、アクリル、ナイロンなど)に対応可能。素材によって工具や切削条件を変える必要があります。

Q2. 5軸マシニング加工とは?

工具がXYZ方向に加えて、回転軸(A軸、B軸)も加わることで、複雑な曲面や斜面の加工が一度で完了する高精度加工技術です。

まとめ:マシニング加工の基本を理解することが品質向上の第一歩

マシニング加工は、一見すると難しく感じるかもしれませんが、基本用語や加工の流れを理解することで、現場とのやり取りや外注管理がスムーズになります。

とくに設計・製造・検査の各フェーズが密接に関係しており、どこか一つでも理解が浅いと、不良やコスト増につながる可能性があります。基礎を押さえたうえで、加工精度・コスト・納期など、さまざまな観点から最適な加工方法を選定していきましょう。

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