~不良ゼロへの第一歩は“現場を見直すこと”から始まる~
はじめに:なぜ不良は発生するのか?
製造業において避けて通れない課題のひとつが「不良品の発生」です。不良は企業にとってコストだけでなく、顧客からの信頼喪失にもつながりかねません。
- 材料の品質?
- 設計上の不備?
- 作業者のミス?
こうした表面的な原因追求の背後には、「そもそも不良を防ぐ仕組みが現場に整っていたか?」という視点が欠けていることが多いのです。
そこで重要になるのが、「品質は現場で作り込まれる」という基本的な考え方です。
現場は“品質を作る場所”である
品質とは「後でチェックするもの」ではなく「最初から作り込むもの」
従来の品質管理は「できた製品を検査する」ことが主でした。しかし、検査だけでは不良の“発生”を防ぐことはできません。
今、重視されているのは「品質の作り込み(Built-in Quality)」という考え方です。これは、最初から不良を作らないように、工程自体を設計・管理するという発想です。
現場での作業一つひとつが、製品の品質を左右している
→ だからこそ、現場に改善のヒントが詰まっている!
現場にひそむ「不良の芽」――代表的な3つの例
作業のバラつき
- 問題点: 標準作業が整備されておらず、作業者ごとにやり方が異なる
- 不良に繋がるリスク: 組立手順や締め付けトルクの違いによる性能不良や脱落
ムリ・ムダ・ムラの放置
- 問題点: 作業スペースが散らかっている、材料の取り回しが悪い、工具の位置が都度違う
- 不良に繋がるリスク: 工具の取り違え、部品の紛失、混入など
情報伝達の断絶
- 問題点: 設計変更が現場に即時反映されない、連絡が口頭のみ
- 不良に繋がるリスク: 古い仕様のまま作業が行われ、規格外品の発生
品質管理の役割と限界
品質管理は「見える化とルール化の力」
品質管理とは、検査、統計、分析によって品質を数値で管理し、異常を早期に発見・対処する仕組みです。
代表的なツール
- 管理図(工程の異常変化を視覚化)
- ヒストグラム、パレート図(不良傾向の把握)
- QC七つ道具(問題分析に不可欠な基本手法)
これらは強力なツールですが、「なぜそうなったか?」を現場で解決する力はありません。
ここに、現場改善との連携の重要性があります。
現場改善は“気づき”と“仕組み化”の連続
現場改善とは「人の工夫 × 継続の力」
現場改善は、現場で働く人が“気づき、改善し、仕組みにする”活動です。改善の代表例が「5S活動」や「見える化」、そして「標準化」です。
実践事例
工場でネジの不良が頻発していた例
- 【原因調査】で、作業者が手締めで行う工程があり、締め付け力にばらつきがあることが判明
- 【対策】として、トルク管理可能な電動ドライバーを導入+作業標準書を改訂
- 【結果】不良率が1/10以下に改善
このように、「作業のばらつき」を減らすだけでも不良率は大きく改善します。
改善が定着する現場の共通点とは?
- トップが現場に関心を持っている
→改善のアイデアが採用されやすい、現場が発言しやすい空気がある - 日常的に5Sが行われている
→整理整頓された職場では異常や変化に気づきやすい - 「不良ゼロ」はチーム目標になっている
→品質改善が「他人事」ではなく「自分事」になる
不良削減に向けた5つの現場改善アクション
| 改善ステップ | 内容とポイント |
|---|---|
| ① 現場観察 | 作業を5分でも観察すると、異常やムリ・ムダに気づける |
| ② 不良発生マップの作成 | 発生場所・工程・時間帯などを図にして“見える化”する |
| ③ 作業標準の整備 | 誰でも同じ作業ができるよう、写真付きで簡潔にまとめる |
| ④ 小集団活動(QCサークル) | チームで課題を共有し、改善案を出し合う |
| ⑤ 継続的なフィードバック | 改善の成果を数値化・掲示し、モチベーションを維持 |
まとめ|品質は現場で作られる。だから「現場を変えれば不良も変わる」
「不良の原因は現場にある」とは、現場が“悪い”という意味ではなく、“改善できる場所”という前向きな意味です。
品質管理は“見える化とルール”の力。
現場改善は“気づきと行動”の力。
この2つを組み合わせることで、再発防止ではなく“未然防止”が可能になります。
まずは、自社の現場で「見えないムダ」「慣れすぎたムラ」「放置されているムリ」を洗い出してみましょう。
不良削減の第一歩は、足元の“現場”にあります。

