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iCADの特徴と設備設計のステップ

FA装置

ICAD(アイキャド)は、富士通株式会社が開発・提供する 3D CAD(コンピューター支援設計) ソフトウェアです。特に 機械設計 に特化しており、大規模アセンブリの処理が高速でできる点が大きな特徴です。ICADは、数十万点の部品を扱う設計業務にも対応可能で、製造業や産業機械業界で広く利用されています。

ICADの主な特徴

① 大規模アセンブリ対応

一般的な3D CADソフトは、大量の部品を扱うと動作が重くなりますが、ICADは 10万点を超える部品 でもスムーズに処理できます。
このため、大型装置や生産設備、工作機械などの設計 に最適です。

② ダイレクトモデリング方式

ICADは、フィーチャーベースではなく「ダイレクトモデリング」方式 を採用しています。
ダイレクトモデリングでは、履歴を持たずにモデルの形状を直接編集できるため、設計変更が素早くできるというメリットがあります。

💡 履歴ベースのCAD(例:SOLIDWORKS、CATIAなど)と違い、過去の操作に依存しないため、編集がスピーディー!

③ 高速処理

ICADの開発思想として、処理速度の向上 に強いこだわりがあります。
特に、大量の部品データを扱う際に、以下のような最適化が行われています:

  • データを軽量化する独自アルゴリズム
  • 3Dモデルの表示・非表示を高速に切り替える機能
  • 干渉チェックや重量計算などの解析処理を効率化

結果として、他のCADに比べて 数倍速く大規模データを処理 できることが強みです。

④ 機械設計向けの便利機能

ICADは機械設計に特化しているため、以下のような機能が充実しています:

  • ネジ・ギア・ベアリングなどの標準部品ライブラリ
  • 板金・溶接・配管設計の支援機能
  • 干渉チェック機能
  • 強度解析(CAE)との連携

このため、製造業のエンジニアにとって 実務で使いやすい設計環境 を提供しています。

⑤ 2D・3Dのハイブリッド設計

ICADは、2Dと3Dの設計を組み合わせて利用 できます。
例えば、従来の2D図面から3Dモデルを作成したり、逆に3Dモデルから2D図面を出力することも可能です。

📌 従来の2D CAD(AutoCADなど)からの移行もスムーズ!
これにより、設計者は2Dと3Dの利点を活かしながら作業できます。

ICADの活用分野

ICADは、主に 製造業や機械設計分野 で使用されており、特に以下のような分野で強みを発揮します。

分野活用例
産業機械設計自動組立ライン、搬送装置、ロボット設計
自動車・部品設計車体フレーム、エンジン部品、ブレーキシステム
精密機器設計計測器、分析装置、半導体製造装置
生産設備設計プレス機、加工機、工作機械

これらの業界では、大規模な部品データの管理や、設計変更の迅速化が求められるため、ICADの特性が活かされています

他の3D CADとの比較

ICADは、他の3D CADと比べると 「大規模アセンブリ対応」「処理速度の速さ」「機械設計向けの機能充実」 といった点で優れています。

CADソフト特徴
ICAD✅大規模アセンブリ対応、✅高速処理、✅機械設計向け
SOLIDWORKS⭐設計履歴を活用したフィーチャーベースモデリング
CATIA⭐航空・自動車業界での利用が多い
NX(Siemens)⭐設計~製造プロセス全体を統合管理
AutoCAD⭐2D図面作成が得意

特に 大規模データを高速に扱いたいならICADが最適!
逆に、フィーチャー履歴を活かしたモデリングや、3Dレンダリングを重視する場合は、SOLIDWORKSやCATIAが向いています。

iCADを使用した設備設計の詳細なステップ

1. 要件定義と初期計画

目的

  • プロジェクトの要件を明確にし、初期の設計計画を立てること。

ステップ

  • 要件収集
    クライアントや関係者から設備に必要な要件を収集します。これには、性能要件、安全要件、環境要件などが含まれます。
  • サイト調査
    設置場所の調査を行い、空間的制約や周辺環境を確認します。
  • 初期レイアウト作成
    収集した情報を基に、主要な設備の初期レイアウトをiCADで作成します。これは2Dの図面や3Dモデルで表現されます。

2. 詳細設計

目的

  • 設備の具体的な配置と詳細な設計を行うこと。

ステップ

  • 3Dモデリング
    設備の詳細な3DモデルをiCADで作成します。各部品やコンポーネントのサイズ、形状、位置を正確にモデリングします。
  • 配管・配線設計
    配管や電気配線、空調ダクトなどのサブシステムの設計を行います。iCADの専用ツールを使用して、これらの要素を詳細に設計します。
  • コンポーネント選定
    使用する部品や機器を選定し、それらの配置を決定します。iCADには多くの標準コンポーネントが用意されており、これらを利用して効率的に設計が進められます。

3. シミュレーションと解析

目的

  • 設計の動作や性能を確認し、問題を事前に発見すること。

ステップ

  • 動作シミュレーション
    設計した設備がどのように動作するかをシミュレーションします。これにより、設備の運用における潜在的な問題を早期に発見できます。
  • 流体解析
    配管内の流体の流れを解析し、流量や圧力損失を確認します。iCADはこのような解析を行うための強力なツールを提供します。
  • ストレス解析
    設備にかかる応力を解析し、強度を確認します。これにより、設計が実際の運用に耐えられるかを検証します。

4. 設計の最適化

目的

  • 設計の効率性と安全性を向上させること。

ステップ

  • シミュレーション結果の評価
    得られたシミュレーション結果を評価し、設計の改善点を洗い出します。
  • 設計の修正
    評価結果に基づいて設計を修正し、最適化します。これには、配置の見直しや部品の選定変更が含まれます。
  • 再シミュレーション
    修正後の設計を再度シミュレーションし、問題が解消されたかを確認します。

5. 図面の作成とドキュメント化

目的

  • 設計内容をドキュメント化し、プロジェクト関係者に提供すること。

ステップ

  • 詳細図面作成
    iCADを使用して、設計した設備の詳細図面を作成します。これには、配置図、配管図、電気配線図などが含まれます。
  • 部品リスト作成
    使用する部品や材料のリストを作成し、プロジェクト関係者に提供します。
  • 設計ドキュメントの整理
    設計に関する全てのドキュメントを整理し、プロジェクトの一部として保存します。これには、操作マニュアルやメンテナンスガイドも含まれます。

iCADの主な機能の詳細

3Dモデリング

  • 高精度モデリング
    複雑な形状の設備でも正確にモデリングできます。部品やコンポーネントの細部まで詳細に設計可能です。
  • アセンブリ機能
    複数の部品を組み合わせてアセンブリを作成し、全体の設備の構造を視覚的に確認できます。

シミュレーション

  • 動作シミュレーション
    設備の動作をシミュレーションし、動作の確認と問題の発見を行います。
  • 流体解析
    配管内の流体の流れをシミュレーションし、流量、圧力損失、温度変化などを解析します。
  • ストレス解析
    設備にかかる応力を解析し、構造の強度を確認します。

インターフェースと互換性

  • データのインポート・エクスポート
    他のCADソフトウェアとのデータのやり取りが容易です。例えば、AutoCADやSolidWorksのデータをインポートして使用できます。
  • 互換性
    他のCAE(Computer-Aided Engineering)ソフトウェアとの互換性があるものもあり、シミュレーション結果をiCADに取り込んで設計に反映できます。

まとめ

iCADは設備設計において強力なツールであり、詳細な3Dモデリング、シミュレーション機能、および他のソフトウェアとの高い互換性を提供します。これにより、設計プロセスの全てのステップにおいて効率的かつ精度の高い設計が可能となります。iCADを活用することで、設計の品質向上やプロジェクトの成功率の向上が期待できます。

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