ISO 9001とは

コラム

品質管理システム

ISO 9001は、国際標準化機構(International Organization for Standardization、ISO)が策定した品質管理システムに関する国際規格の一つです。ISO 9001は、組織が顧客満足を向上させるために必要な要件を定義しています。

ISO 9001は、組織が以下の点を確保するための枠組みを提供しています。

  1. プロセスの効率性の向上
  2. 製品やサービスの品質向上
  3. 顧客満足度の向上
  4. 法令や規制要件の遵守
  5. 継続的な改善の推進

ISO 9001認証を取得することで、組織はその品質管理システムが国際的な基準に準拠していることを証明することができます。これは顧客や取引先、規制当局などに対して信頼性や信頼を高める効果があります。また、ISO 9001はさまざまな業種や規模の組織に適用可能であり、世界中で広く採用されています。

ISO 9001の必要性

ISO 9001の必要性は、組織が持続的な成長と競争力を確保するために重要と言われています。
ISO 9001の必要性をいくつかの観点から説明します。

  • 品質管理の向上: ISO 9001は、組織が自らの品質管理システムを確立し、運用するための枠組みを提供します。これにより、製品やサービスの品質を一貫して向上させることが可能となります。品質管理の向上は顧客満足度を高め、競争力を強化します。
  • 国際的な信頼性の向上: ISO 9001は国際的に認められた品質管理の規格です。この規格に準拠することで、組織は国内外の顧客や取引先、規制当局からの信頼性を高めることができます。特に国際取引を行う場合や海外展開を考えている場合には、ISO 9001認証は重要な要素となります。
  • リスク管理とコスト削減: ISO 9001はリスク管理の観点からも有益です。品質管理システムの適用により、製品やサービスの品質に関するリスクを把握し、適切な対策を講じることができます。また、品質の向上により不良品やリジェクト率を減少させることができ、生産コストの削減にもつながります。
  • 顧客満足度と競争力: ISO 9001は顧客満足度の向上を支援します。顧客の要求や期待を理解し、それに応えるための体制を整備することが重要です。ISO 9001の要件を遵守することで、顧客満足度を高め、競合他社との差別化を図ることができます。
  • 継続的な改善と成果の追求: ISO 9001は継続的な改善を推進する枠組みを提供します。組織は定期的な内部監査やマネジメントレビューを通じて、品質管理システムの効果を評価し、改善の機会を見出すことができます。これにより、組織は持続的な成長と成果の追求を実現できます。

以上のように、ISO 9001は組織にとって品質管理や顧客満足度向上、競争力強化など様々な面での利益をもたらすため、多くの組織が導入し認証を取得しています。

ISO 9001 取得費用

ISO 9001認証を取得するための費用は、いくつかの要因によって異なりますので、いくらとは言い難いですが、中小企業レベルですと約40万円〜500万円程度になります。一般的な費用の内訳は次のようになります。

  • 認証機関の費用: ISO 9001の認証を取得するには、認証機関に対して認証手続きを行う必要があります。認証機関に支払う費用は、認証の範囲や規模、地域によって異なります。
  • 内部監査および改善活動の費用: ISO 9001を取得するためには、組織内での内部監査や品質管理システムの改善活動を実施する必要があります。これには内部監査員の訓練や監査の実施、改善提案の実行などが含まれます。これらの費用は組織の規模や現状の品質管理体制によって異なります。
  • 品質管理システムの導入費用: ISO 9001認証を取得するためには、組織内で品質管理システムを構築・運用するための人材やリソースが必要です。これには品質マネジメントシステムの導入や改善を支援するコンサルタントや専門家の費用、システム導入に関連するソフトウェアやツールの購入費用などが含まれます。
  • 運用および維持費用: ISO 9001認証を取得した後も、品質管理システムの運用や維持には費用がかかります。これには定期的な内部監査やマネジメントレビューの実施、システムの改善活動、認証更新手続きなどが含まれます。

組織の規模や業種、地域、市場状況、またコンサルタントを利用するか否かによっても費用は大きく変わります。ISO 9001認証を取得することで利益や競争力向上がすぐに現れるものではありませんので、適切なコストでの取得をおすすめいたします。

ISO 9001の噂

もう30年も前のことにありますが、ISOのブームがありました。
そのころによく聞いたのは、「ISOを持っていないと取引できなくなる」というものでした。
ISO 9001は百害あって一利なし!とまで言われていました。

当時私もISOの品質管理責任者をしていましたが、確かに大変な作業でした。

大企業がやっていることを一生懸命真似をしなければならなかったからです。実態とかけ離れた仕組みを導入すれば現場からの批判や、余分な時間が必要になるなどコストをかけた上にさらにコストUPになっていたからです。

そんなことから多くの企業がISOをやめてしまいました。形だけのISO 9001になっている中小企業が多かったんですね。

ISO 9001は仕事全般のルールを文書として定めますので、仕組み作りを間違えると仕事の足を引っ張りますので効率まで悪化したケースもあったようです。

ISO 9001改定

ISO 9001は2000年に企業にとってより良い仕組みとなるように改定され、企業の業種や規模に関係なく運用できる「品質マネジメントシステム」になったことによって負担のかからない柔軟な規格になりました。悪い噂はまだまだ払拭できていませんが、ISO 9001も進化をしたのでそろそろとお考えの企業様も腰を上げる時なのかもしれません。

タイトルとURLをコピーしました