初心者向け|1刃当たりの送り量(fz)を図でやさしく解説!


マシニング加工では、エンドミルがくるくる回りながらワークを削りますよね。
このとき、
エンドミルの1枚の刃が1回ワークに当たるごとに削る量
これを 1刃当たり送り量(fz) と言います。
単位は「mm/tooth(ミリ/刃)」です。
なんでfzが必要なの?
fzが正しくないと…
| fzが小さい | fzが大きい |
|---|---|
| 削れずに擦る→摩耗しやすい | 一気に削ろうとして刃が欠ける |
| 面が白っぽくなる | バリや振動(ビビり)が増える |
✅つまり加工の安定性と工具寿命に直結する超重要な数値!
設定は計算で簡単!公式を覚えよう
送り速度F = fz × 刃数Z × 回転数N
(Fはmm/min)
例:
4枚刃・回転数10,000min⁻¹・fz=0.03mm/tooth の時…
F = 0.03 × 4 × 10,000 = 1,200 mm/min
🔸fzを決めて → 送り速度を計算
これがプロのセッティング手順です。
fzってどこの距離?
刃がワークに「1回当たる」ごとに
どれだけ前へ進むか=fz
回転が速くても、刃数が多くても、fzが小さければ進まない!
材料別のカンタンな目安(まずはここから👇)
| 材料 | fzの目安(小径〜中径) |
|---|---|
| アルミ | 0.03〜0.08 |
| 鋼(S45Cなど) | 0.02〜0.06 |
| ステンレス | 0.01〜0.04 |
※ 慣れないうちは 低めから調整すれば安全
よくある初心者ミスTOP3
| ミス | 症状 |
|---|---|
| fzが小さすぎる | 摩耗早い・白っぽい面 |
| 回転数だけ上げて送りを上げない | 振動・刃先摩耗 |
| カタログを見ずに感覚設定 | 工具寿命が半分以下に |
✅ メーカー推奨fzを基準に調整するのが最速で上達
これだけ覚えよう!
| 重要ポイントまとめ |
|---|
| fzは「1刃で削る量」 |
| fzを決めてから回転数と送りを合わせる |
| 小さすぎても大きすぎてもNG! |
| 材料ごとに最適値がある |
これができれば、面がキレイ&工具長持ちの加工へ!
実際の条件でfzを!
知るべき項目
材料:
工具径:
刃数:
回転数(上限):
切削幅(Ae):
切り込み深さ(Ap):
機械(参考:BT30/BT40/門型など):
⬆ これだけで、工具カタログの推奨条件を照らし合わせて計算できます。
✅最適なfz
✅送り速度(mm/min)
✅回転数の安全値
✅工具寿命が伸びる設定
まとめ
| 設定する値 | 影響する品質 |
|---|---|
| fz(1刃当たり送り量) | 工具寿命/面粗度/加工安定性 |
| F(送り速度) | 加工能率/サイクルタイム |
🔹まずfzを決めて → 回転数&送り速度を逆算
🔹過小過大を避けて工具寿命UP

