リーマとはドリルなどで加工された穴の内面を正しい形状、寸法で良好な仕上げ加工を行うための切削加工工具です。
リーマにはソリッドタイプ、ロウ付タイプ、組み立て式タイプがあります。
また、手回しで加工するハンドリーマと、マシニングセンタなどの工作機に取り付ける機械作業用リーマに分かれています。
リーマの加工精度
穴の直径に対し±0.01mmの寸法精度が要求されます。
ドリル加工で得られる精度はφ1mmで-5~+0μm程度なので、とても精度が高いことが割ります。
リーマでは濃度の高い切削油を使わないと仕上げ面が悪化することがあります。
工具のメンテナンスはもちろんですが、取付精度や切削油にも目を配る必要がありますので最新の注意を払って加工します。
リーマの加工条件
切削加工条件については別の記事にも書いてありますので参考にしてください。
加工条件が合っていないと、穴が大きくなったり、仕上げ面が悪くなったりしますので、テスト加工などして最適な加工条件を見つけてください。
リーマの下穴サイズ
リーマの下穴の最適な径サイズは、素材や径の大小によって一概にいえませんが、工具メーカーの出す推奨条件などを参考にすると良いですが、基本的な考え方としてリーマ代が0.05〜0.20になるようにドリルのサイズを選定してください。またリーマの種類によっても異なりますので注意しましょう。
被削材 | リーマ刃径 | ||||
---|---|---|---|---|---|
~φ6 | ~φ10 | ~φ16 | ~φ25 | φ25~ | |
鋼 ~700N/mm2 700N/mm2以上 | 0.1~0.2 0.1~0.2 | 0.15~0.2 0.15~0.2 | 0.2~0.3 0.2~0.25 | 0.3~0.4 0.25~0.3 | 0.4~0.5 0.3~0.4 |
鋳鋼 鋳鉄 可鍛鋳鉄 | 0.1~0.2 0.1~0.2 0.1~0.2 | 0.15~0.2 0.15~0.2 0.15~0.2 | 0.2~0.25 0.2~0.3 0.2~0.3 | 0.2~0.3 0.3~0.4 0.3~0.4 | 0.3~0.4 0.4~0.5 0.4~0.5 |
リーマ穴の検査
リーマ穴は図面に記載されている精度に対して限界栓ゲージなどを用いて検査します。
限界栓ゲージは穴径の通り側と止り側を正確に測定できますので、リーマ加工する場合は必ず必要になります。
但し、お客様によってキツめでという指定がある場合がありますので注意が必要です。
リーマのトラブル
リーマで1番トラブルが発生しやすいのは止まり穴の場合です。
当然ではありますが、キリコの逃げ場がなくなってしまうためです。
止まり穴のリーマ加工の場合はエンドミルで取代を減らすことによりリスクを下げることができます。それでもトラブルが起きてしまうこともあります。
まとめ
リーマ穴は高い精度を求められているため、ドリル加工やエンドミル加工よりも注意を払う必要があります。ATCを使わないというのも一つの手法です。
精度が悪かったために今までの加工が全て台無し・・ってことにならないようにしましょう。