
切削加工の用途は非常に幅広く、精密な仕上がりが求められる製品や部品の製造に欠かせません。当社でも様々な分野からお仕事をいただいております。実際にどんな仕事が来るのか以下に、分野ごとに切削加工の具体的な用途を詳しく説明します。
機械部品の製造
まず切削加工は、機械の心臓部を構成する多くの部品に使用されています。当社では一品一様の部品製作に長けていますので、試作系が非常に多くあります。例を挙げると以下のようなものになります。
- 軸やシャフト: モーターやエンジンで使用される回転部品の製造。
- ギア(歯車): 機械の動力伝達に不可欠な精密ギアの作成。
- ベアリング部品: 高精度の回転運動を支えるために寸法精度が必要。
- フランジ: 配管や機械の接続部分に使われる部品。
自動車産業
自動車の生産でも、切削加工が重要な役割を果たしています。鋳造で作られた製品も、精度を出すために切削加工を使用しますし、要求制度も高く、加工ノウハウを駆使しながら切削加工をしています。自動車産業での例では以下のようなものになります。
- エンジン部品: シリンダーブロック、ピストン、クランクシャフトなどの加工。
- トランスミッション部品: 高い精度が求められるギアやベアリングハウジング。
- ブレーキディスク: 耐久性と精密な形状が必要な部品。
- その他の部品: 燃料噴射装置、エキゾーストパイプの加工。
航空・宇宙産業
航空機や宇宙機器の部品は、高精度かつ軽量で耐久性が必要なため、切削加工が広く利用されますが、材料が高価で切削しにくい材料が多く存在します。慎重に切削加工をしなければあっという間に不良剤となりますので注意が必要です。
- エンジンパーツ: タービンブレード、圧縮機部品の製造。
- 構造部品: 翼や胴体の一部、軽量化が求められるフレーム。
- 燃料タンク部品: 高い耐圧性と精度が必要。
医療分野
医療器具や装置には、切削加工で作られた高精度な部品が多用されています。当社でも一部医療分野の仕事をお受けしていますが、医療分野の仕事では他の産業よりも厳しい品質管理体制を求められます。適切な品質管理体制を構築し、製造実績や管理文書を確認し、製造現場での品質を保証するための製造条件や確認手段などを工程の流れに沿って工程図を作成する必要もあります。
- 外科用器具: メス、ドリル、ピンセットなど。
- インプラント: 人工関節や歯科用インプラント(チタン製)。
- 診断機器: MRIやCTスキャン装置の精密パーツ。
電子機器・家電
切削加工は、電子デバイスや家電製品に必要な部品の製造にも使われています。特に最近では以下のような部品が多いように感じます。
- 半導体製造装置の部品: 高精度で均一な表面が求められる。
- 冷却装置(ヒートシンク): 放熱性能を高めるための複雑な形状を加工。
- 小型モーター部品: ドローンや小型家電製品で使用。
金型製造
切削加工は、プラスチックや金属製品を成形する金型の製造においても欠かせない工法です。精度の高い3次元加工や、精度の高いモールドベースがその会社の信用を作っていると言っても過言ではありません。当社でも多くの金型製造に携わっていますが、価格、納期、精度の改善は日頃から行なっています。
- 射出成形金型: プラスチック製品(ボトル、電子部品ケースなど)を作る金型。
- 鍛造金型: 金属部品を成形する際に使う金型。
- プレス金型: 自動車部品の板金加工などに使用。
建築・インフラ
建築やインフラ整備の分野でも、切削加工された部品が利用されてます。以下のような部品が当社で切削加工されています。
- 建築用金属部材: 手すりや枠組みなど。
- 橋梁部品: 精度が求められる鉄骨接合部。
- インフラ用部品: パイプジョイントや固定具。
試作品(プロトタイプ)製造
製品開発段階では、切削加工を用いて試作品を迅速に製作することが大事です。冒頭にも申し上げたように当社では一品一様の製造に長けていますので、多くの試作品製造をしております。
- テスト用部品: 開発中の新製品の部品製作。
- カスタムパーツ: 特定の条件を満たす一品物の製造。
その他の特殊分野
最後に特殊分野の部品製造になります。当社ではFA設計製作も行うので、このような分野のお仕事も頂戴いたします。
- ロボット工学: ロボットの関節部品やフレーム。
- エネルギー分野: 風力タービンの部品や発電装置の精密パーツ。
切削加工の利点
切削加工の利点は、その精度、適応性、柔軟性にあります。特に、金属やプラスチック、木材などさまざまな素材に対応し、非常に高精度な加工が可能な点が魅力です。以下では、切削加工の主要な利点を詳しく解説します。
高精度な加工が可能
切削加工は非常に精密な作業を実現できるため、ミクロン単位の精度で部品を製造することができます。特に、精密部品や機械的に重要な部品(例えば、エンジン部品や航空機部品)の製造において、その精度は欠かせません。金型や工具など、非常に精密な設計が求められる場合にも最適です。
多様な素材に対応
切削加工は金属(鉄、アルミニウム、ステンレス鋼など)、プラスチック、木材、さらには硬質材料(チタンや炭素繊維など)にも対応できるため、用途が非常に広範囲にわたります。これにより、さまざまな産業において汎用性が高い技術となっています。
優れた表面仕上げ
切削加工により、非常に滑らかな表面仕上げが可能です。部品の表面に傷や不均一な部分が少ないため、機械的な機能や外観が重要な場合において非常に有利です。特に、外観が求められる製品や精密機器の部品では、切削加工が重要な役割を果たします。
複雑な形状の加工が可能
切削加工は、非常に複雑で細かい形状を作り出すことができます。例えば、ねじ切り、精密な穴開け、曲面加工、複雑なギア形状の作成などが可能です。この柔軟性は、特にカスタムメイドや一品生産の部品製造において強みを発揮します。
一品生産と量産に対応
切削加工は、一品もののプロトタイプ作成や少量生産に最適であるだけでなく、大量生産にも対応できます。特に数が多くない製品の製造時に有用です。また、切削ツールやプログラムを変えることで、異なる製品に対応できるため、柔軟な生産が可能です。
高い再現性と精度
切削加工は自動化された機械(CNC機械など)を使用することで、一定の品質と精度で部品を繰り返し作成することができます。これにより、製品のばらつきを最小限に抑え、安定した製造が可能となります。
材料の無駄が少ない
切削加工は、材料を削り取って形を作る方法なので、特に鋳造や鍛造に比べて材料の無駄が少ないといえます。高価な素材を使用する際には、材料の無駄を減らすことがコスト削減に直結するため、経済的な利点があります。
ツールの選択肢が多い
切削加工では、使用するツール(刃物やエンドミルなど)の種類を選ぶことができ、加工内容や素材に最適なツールを選択することで、作業効率や品質を向上させることができます。ツール交換も容易で、異なる加工内容に柔軟に対応できます。
切削加工の利点は、精度の高さ、対応素材の多様性、表面仕上げの美しさ、複雑な形状への対応、再現性の高さ、コスト効率の良さなど、さまざまな要素にわたります。これらの特長により、航空宇宙、自動車、医療、電子機器、精密機器など、非常に多くの産業で切削加工が活用されています。
まとめ
切削加工は、「高精度・複雑形状・少量多品種」が求められ、また、あらゆる分野で欠かせない技術です。当社でもあらゆる分野から様々加工依頼がありますが、切削加工を使ってお客様の要望に応えています。当社の切削加工についてさらに詳しく知りたい場合は、お気軽にお問い合わせください。
