SS材の基礎知識:汎用鋼材の特徴と使い方

金属材料の基礎知識

SS材とは?最も一般的な構造用鋼材

SS材とは、「Steel Structure(構造用鋼材)」の略称で、JIS規格では「JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材」として定義されています。
主に建築、機械、金属加工など、幅広い分野で使用されており、汎用性・加工性・コストパフォーマンスに優れた代表的な鋼材です。

SS材は、炭素含有量が比較的少ない軟鋼(低炭素鋼)に分類され、溶接や切削などの加工がしやすいことから、試作部品や機械構造部品のベース材としても重宝されています。

SS材の種類と意味:SS400の「400」は何を表す?

SS材の代表格といえば、SS400
「SS」は前述の通り“構造用鋼”を意味し、「400」は引張強さの最小値(400N/mm²以上)を表しています。

JIS規格で定められている代表的な種類は以下の通りです。

種類引張強さ(N/mm²)特徴
SS330330以上軟らかく加工しやすい。変形しやすいが溶接性良好。
SS400400以上一般的な機械構造物に最も多く使用される。コストバランスが良い。
SS490490以上高強度が求められる構造物に使用。溶接や曲げにも対応。
SS540540以上高強度材。大型構造物や建設機械などに適用。

つまり、「SS材の数字=引張強さの目安」であり、使用目的に応じて強度ランクを選定することが重要です。

当社が取り扱っているSS材のメーカーは以下のようになっています。

中部鋼鈑株式会社
住所: 愛知県名古屋市中川区小碓通五丁目1番地
ホームページ:https://www.chubukohan.co.jp

JFEスチール株式会社
住所: 東京都千代田区内幸町二丁目2番3号
ホームページ:https://www.jfe-steel.co.jp/products/building/shapes/jis_h.html

日鉄スチール株式会社
住所:和歌山市湊1850
ホームページ:https://www.shapes.nipponsteel.com

当社で使用するSS材は100%SS400材になります。

SS材の切削(加工上の注意点)

SS材の特徴:コストと加工性のバランスが魅力

SS材は、他の特殊鋼に比べて安価で調達しやすく、加工性が高いのが最大の特長です。
特に以下のような点で優れています。

  • 切削・穴あけ・溶接が容易
    → 機械加工や溶接構造物の製作に適している。
  • 安定した機械的性質
    → 変形や割れが起きにくく、設計通りの寸法精度を出しやすい。
  • コストパフォーマンスが高い
    → 材料費を抑えつつ強度を確保できるため、量産や試作に最適。

ただし、耐食性や硬度はステンレスや特殊鋼に劣るため、用途によっては表面処理(メッキ・塗装)が必要です。

SS材の主な用途:どんなところで使われている?

SS材は「汎用鋼」と呼ばれるだけあって、あらゆる業界で利用されています。
代表的な用途を以下に挙げます。

  • 建築部材(柱、梁、鉄骨構造など)
  • 機械フレームやベースプレート
  • 治具・試作部品・金型ベース
  • 自動車や建設機械の構造部品
  • 鉄骨橋梁、産業設備の構造物

このように、強度と加工性のバランスが取れた材料として、試作から量産まで幅広く活用されています。

SS材と他の材料との比較:ステンレスやS45Cとの違い

材料名主な特徴加工性耐食性強度
SS400安価で汎用性が高い
S45C中炭素鋼で強度が高い
SUS304ステンレス鋼で耐食性抜群

この表からもわかるように、SS材は「コストと加工性重視」の用途に最適。
一方で、強度や耐食性を重視する場合は、S45CやSUS材を選ぶケースもあります。
設計段階で目的に応じた材質選定を行うことが、品質とコストの両立につながります。

加工現場でのポイント:SS材を扱う際の注意点

SS材は扱いやすい反面、錆びやすいという弱点があります。
保管時や加工後の処理では以下の点に注意が必要です。

  • 長期保管する場合は防錆油を塗布する
  • 加工後は速やかに表面処理(塗装・メッキ)を行う
  • 溶接時はスパッタや歪みに注意する

これらを意識することで、仕上がり精度や外観品質を安定的に維持できます。

  1. バリの発生
    SS材は柔らかいため、切削時にバリが発生しやすいです。加工後のバリ取り工程を考慮します。
  2. 熱変形
    高速切削を行うと熱が発生し、材質が変形する場合があります。適切な冷却対策が必要です。
  3. 工具摩耗
    SS材の切削では摩耗が比較的少ないものの、加工条件や加工時間が長い場合、工具寿命に影響が出ます。

SS材の切削は比較的容易ですが、加工条件の最適化や適切な工具の選定により、効率と仕上げ品質を向上させることができます。特に大量生産や高精度が求められる場合は、切削パラメータを細かく調整することが成功の鍵です。

まとめ:SS材は「万能な基礎材料」

SS材は、金属加工の現場で最も多く使用される基本中の基本ともいえる材料です。
「安くて使いやすい」「加工性が良い」「入手しやすい」という3拍子が揃っており、
試作、治具製作、機械部品など、あらゆる工程で欠かせない存在です。

ただし、耐食性や強度が要求される場合は別材を検討するなど、用途に応じた使い分けがポイントです。
正しい知識と選定が、製品品質の安定化とコスト削減につながります。

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