
金属加工の現場では、切削機械、溶接、搬送設備など、常に危険と隣り合わせ。
しかし、労働災害の多くは「防げた事故」です。
今日は、現場で実践できるリスク管理と安全対策を徹底解説します。
金属加工で労働災害が起きる主な原因
金属加工は高度な作業が多く、次のような要因から事故が発生します。
| 主な原因 | 具体例 |
|---|---|
| 機械の挟まれ・巻き込まれ | チャック部への接触、工具交換時の操作ミス |
| 切創・刺創 | バリの放置、刃物接触 |
| 転倒・落下 | 床の油汚れ、通路の障害物 |
| 有害物質の吸入 | 溶接ヒューム、ミスト |
| 火災・爆発 | 油・粉じんの蓄積、溶断作業の火花 |
ポイントは、機械・作業者・環境の3方向から危険が潜むことです。
“慣れ”が最大の事故原因になる理由
ベテランほど発生しがちなヒューマンエラー。
- 「いつも通りだから大丈夫」
- 「少しくらいなら問題ない」
- 「手間を省こう」
こうした行動が、重大事故につながる第一歩です。
安全意識の低下が起きない仕組みづくりが求められます。
ゼロ災を目指すための安全対策5選
機械の危険源を排除・改善する(設備安全)
- インターロックの正常動作確認
- 可動部のガード徹底
- 定期メンテナンスの記録管理
故障や劣化は事故の予兆です。
PPE(保護具)の適正使用
| 必要な保護具例 | 防止できる事故 |
|---|---|
| 保護メガネ | 切粉の飛散 |
| 耐切創手袋 | 切創 |
| 安全靴 | 落下物・転倒 |
| 防塵マスク | 粉じん・ヒューム吸入 |
ただ着けるだけでなく、正しい選定と使い方が安全を左右します。
5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)の徹底
床の油汚れ、散乱した工具は事故を誘発
視認性が高い現場ほど事故は少なくなります。
危険予知(KY)活動の毎日の実施
- 「どこが危ない?」を全員で共有
- ヒヤリハットの蓄積 → 改善につなげる
気づきの共有=未然防止の第一歩
新人教育とベテランの意識向上
- 作業手順書の整備と遵守
- OJTだけに頼らない教育
- 安全に関する継続的な研修
特に“慣れた作業こそ要注意”。
危険を可視化するリスクアセスメント
リスクアセスメントは、事故リスクを数値で管理できるため、
企業の安全レベルを飛躍的に高めます。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| ① 危険源の洗い出し | 機械・作業者・環境を確認 |
| ② リスク評価 | 発生頻度 × 重篤度 |
| ③ 優先順位付け | 対策が必要な箇所を特定 |
| ④ 改善の実施 | 設備・ルール改善 |
| ⑤ 効果検証 | 定期的に見直し |
数値化することで改善効果が見える化できます。
まとめ|労災ゼロは「意識×仕組み」で実現できる!
金属加工の安全管理は、
「人の意識」×「仕組みづくり」の両方が成功の鍵です。
✅ 危険は必ず存在する
✅ だからこそ管理してゼロ災を目指す
✅ 小さな改善が重大事故を防ぐ
従業員一人ひとりが安全に働ける現場環境こそ、
企業の信頼と生産性を高める未来につながります。
金属加工労働災害の実例
実例①:旋盤作業で手袋が巻き込まれ指を切断
原因:チャックが回転中に切粉除去しようと手を伸ばした
問題行動
- 機械を止めずに作業継続
- 手袋を着用したまま回転部に接近
防止策
- 回転部作業の手袋禁止
- インターロックや停止手順の徹底
実例②:溶接ヒュームを吸い込み健康被害
症状
- めまい、頭痛、慢性的な呼吸器障害
原因 - 屋内で換気不足
- マスク着用なし
防止策
- 局所排気装置の設置
- 適正な防じんマスク着用
実例③:バリの処理中に指を深く切創
原因
- 製品のエッジ形状を過小評価
- 手袋不使用
防止策
- 耐切創手袋の着用
- バリ取り工程の標準化
実例④:油で滑って転倒 → 重大骨折
原因
- 床に油が飛び散ったまま放置
- 通路の整理が不十分
防止策
- 5Sの徹底(特に整理・清掃)
- すぐ拭き取るルール徹底
実例⑤:プレス機の挟まれ事故で腕骨折・長期休業
原因
- 両手操作装置を片手で操作し作業
- 安全装置の無効化
問題点
- 生産優先で安全確認がおろそかに
- 「少しの手間」回避が事故を招いた
防止策
- 安全装置の絶対遵守
- 作業効率と安全の両立策検討
実例⑥:部品落下による頭部外傷
原因
- クレーン吊り荷の固定不良
- ヘルメット未着用
防止策
- 玉掛け手順の厳格化
- 安全区域の設定

